家をつくるならシナで内装と考えていた。シナは癖がなく柔らかさ、温かさがある。経済的な材料であり国産材もあるという認識だった。壁、天井、家具、建具でをシナ合板を利用した。合板は北海道の津別というところで北海道のシナでつくったらしい。英名はjapanese linden、リンデン。リンデンバウム(
菩提樹)、
シューベルトの
菩提樹と同属らしい。
菩提樹のある歌曲集「冬の旅」は暗いイメージの歌だったが、
菩提樹の歌にホットしたことを思う。津別も冬は厳しいところだろう、その中で育てられたシナに今囲まれて、その厳しさを表情にはださず、柔らかく、温かくつつんでくれることに何とも言われぬやすらぎを得ている。