TAMの家づくり

住まいづくりを楽しむ、住まいを楽しむ

楽しさいっぱいの子供部屋改修

設計した住宅の子供室を客室に改修しました
ここから巣立った子供たち家族が集う場所です

住まいを楽しむということは私どものモットーです
設計して17年経ち、家族の形態が変わる中で住まいを楽しく住み継いでいただけること、そこでお手伝いが出来ることにとても感謝しております

子供たちの「遊び場」と客室となる「たまり場」、来客用納戸の「秘密の部屋」を設けました。

「遊び場」は既存のクローゼット、ロフト、のぼり棒を生かしたもので、ロフト部は手摺を枝に見立てた「鳥の巣」、クローゼットは扉2枚を生かした「うろ」、のぼり棒は豆の木で天井にはクロスで葉をかたどりました。

「鳥の巣」が大きな木の見立てのため、そこには森が広がり、岩山もあります。

森は塗装した合板、クロスでの表現。岩山でのボルダリング遊びができるようにしました。

「たまり場」は既存利用の本棚を絵本やおもちゃでいっぱいにし、床暖房のある畳の上で思い思いに遊べればと考えました。

ロールスクリーンで囲い森の中に居るような個室となりました。



築42年のアパートの室内改修

築42年のアパートの外装改修が終了しました。

クライアントさんは当初からアパートの一室も改修したいというご希望をお持ちでした。

外装改修の時もお話ししましたが、築年数とこれからの賃貸状況より不採算性は明らかでしたが、ローンがなくなり減価償却などの今までの経験値よりの予算判断で外装、一室内装改修の判断だとお引受けしました。

築42年の間には畳部屋をフローリングに直したり、外洗濯機を室内に持ち込んだりしましたが、押入や浴室洗面や区切られた間取りなど空き室が無いのが珍しいほど立地と家賃が助けになっていました。

設計見積をたて既存で利用できるものは利用し、予算可能な施工店を探し、どうにか実施の見通しをたてました。

GW断熱材はボロボロで厚10cmでしたが、厚20cmにしました。

給湯器、ウォシュレット、換気扇、エアコン、照明、インターホン、カーテンレールなど生産年月を確認し使用しました。

外装のグレーのイメージを内装にも持ち込んでいます。

入口ドア前に壁をたてて冷蔵庫置場としました。

既存分電盤のカバーを塗装、アイアンコートフックは購入支給品、既存はドアチェックなどない状態でした。

既存はキッチンの脇に洗濯パンが置かれている状況でしたが両サイドに壁をつくりました。洗濯パン、洗濯水栓、流し台下、IHコンロ、照明など再利用です。

吊戸棚は既存流し台と同じシリーズとし、フード、水切を新しくすることで全体が新品のように見えます。

トイレの位置をずらし、洗面のスペースをつくりました。

アイアンのアクセサリーは購入支給品です。

洗面ガガミは照明、曇り止め付購入支給品です。

金属プレートで黒色スイッチ、要所の無垢の木生地など細部まで気をかけました。

流し水栓、洗面水栓などパッキン交換が容易な2バルブとしました。

2バルブ、浴室、洗面器のゴム栓などシンプルさで徹底すれば好感が持てると感じております。

内装床は一般的なフローリングでなく樹脂タイルとしました。

面取材で立体感があり、模様が市松となり、樹脂巾木、ビニールクロスとの相性も良いと感じました。

入居状況が心配でしたが、隣居より1万高く設定してもすぐに決まったようです。

築42年アパートの外装改修

16年程前に、プロデュース会社を通じて内装改修を行った建主より、経営する築42年のアパートの外装改修依頼がありました。

立地が良く、今まで空室期間がそれほどなかったものが、コロナ禍で期間が空くようになり維持と美観を考えてのことです。

鉄骨という構造、状態、立地、相続を考えると建替えが良いのではというお話をしましたが、相続には問題ないということ、構造部にさほどの異常がないこと、大きな借り入れを避けたいということで出来るだけ低コストで後10年程を考えた改修となりました。

スクラップ&ビルドはあまり好きではなく、経営的判断の低コストという内容では安全性は目視等での状況判断という悩ましい解決しかありません。

その中で出来るだけご希望に答えたいと考えました。

 

ファサードを考える

入口のある外壁の鋼板は端部が発錆し腐食もありました。

また、外壁面にはアンテナTV、電話、CATVや光回線の盤が要不要問わず取付いた状態でした。

ファサードは建物の顔となるところ、

改修は既存の上に軽量の外装材の新設、弱電各社と協議し不要は撤去し提供ボックス内に納めることとしました。

四角のフレバブアパートの外観であることより、無機質、無彩色なデザインとしました。

改修前です

改修後です

 

外装塗装を考える

外装塗装は流行色や遮熱などの機能考えますが、既存の状況があり小規模建物では

数色使っても艶を替えてもコストには影響されません。

プレバブ鉄骨造のため幕板、パネルカバーなどがつきます。

そこの色や艶をかえ変化を出しました。

無計画なエアコン冷媒管カバー、ドレイン管、弱電ジョイントボックス等は取替えてスッキリさせています。

改修前です

改修後です

 

共用ローカ部を考える

共用ローカは鉄骨造で床コンクリートからの漏水で床デッキプレートの腐食があります。補強工事をしているため当面問題はなさそうですが、10年程の長期となると不安があります。そこで床シート施工とし美観と防水性を高めました。

廊下目隠しは塩ビ波板ですが、これをアルミ複合板とし、軒裏は目立たぬように濃い灰色の艶消し色としています。

銀や無彩色のグレー3色の濃淡で色をまとめているため、機器やドア、窓の要素のうるささは感じません。

既存集合ポストを止め、個別にネット購入したポストを建主と共に取り付けました。

安価となるとともに建主が選んだものという楽しみも加わりました。

改修前です

改修後です

設計の役割は、低コストの予算でも細部にこだわることで違いをつくるものと考えます。こだわりが質を高め、感じのよいものとなってくれるものと考えます。

コの字型の家の注意点

家のかたちは、廻りの景観、敷地形状、方位を考えながら、ゾーニング、プランニングでかたちを決めていくものと考えております。

そこにスタイルを入れながらクライアントとのイメージの共有を図ります。

クライアントが同居2世帯で、平屋、数寄屋風にとのご希望でしたので、
中央の居間と中庭を2世帯が囲むコの字は、プライベートな距離を保ちながらお互いの気配が感じられ調度よいかたちでした。

また、囲むかたちの温かさ、屋根の変化により和風をより数寄に感じさせてくれています。

プランニングは十分検討しなくてはなりません。

外と中のつながりなどとても楽しい設計ではありますが、条件がたまたまかたちに合ったものと考えております。

 

狭小旗竿敷地にご注意

23区内は土地の動きが多く、都心では20坪程度に区割りされることもあります。
デベロッパーのミニ開発では建売、土地販売とありますが、敷地内規約をつくり、どうにか建設や維持管理が出来る内容となっております。
計画を依頼された土地が前面道路が狭隘で旗竿敷地で20坪弱で坪300万もすることには大変驚きました。
敷地の予算のしわ寄せは建物です。
デベロッパー建物は2000万弱、これではという思いで設計事務所に相談という訳です。

敷地を調べると施工に難点があります。
駐車場からのアプローチ部の最も狭い部分は有効で1.6mです。
土工事ミニバックホー巾は1m程度なのでOK。
次に、基礎工事のミキサー車、ポンプ車の取付を考えなくてはなりません。
近隣の人や車の出入りの考慮はとても大切です。
工事中のトラブルは近隣に悪い印象を与えます。
前面道路が幹線のループ路になっているので出入りだけで何とかなります。

次に建て方です。
小型レッカー車は10m高さまでの吊る下げでは半径10m程度となります。
これが出来なければ、人力となりかなりの労力と費用になります。
敷地南側にマンションの通用路があり、敷地までは位置指定道路となっていたので、了解の上で使用が出来そうです。
アームが一部かかる隣家とも調査の際に挨拶を行っているので何とかなるかと思います。

建物は敷地8.4m×4.5mの場所に建ちます。
機器の置場や点検、住まいのメンテナンスを考えます。
また、建物自体7.2m×3.5mのため、室内空間の広がりや借景を活かした設計を考えます。

設計料を考えると、税込3000万程度となりますが、楽しく住めることが第一と考えます。

猿橋を見て建築を学ぶ

富士山十里木アトリエへの行き帰りの東名高速は年末集中工事で渋滞です。

今回は、中央高速を使いました。

そして途中、大月にある日本3大奇矯の猿橋を観ました。

江戸時代に現在のかたちとなったようです。

長さ、高さ共に31mの桂川にかかる甲州街道沿いの木造橋です。

材料は腐朽に強いヒバ材、20年毎の架け替えと調達を考えると

10mくらいの材料までが使用出来たのでしょう。

地元の鳶、大工、錺屋等が意見を出しながらの工事だったのでしょうか。

両岸壁に桔木(はねぎ)を埋め込んだ石垣。

2列の桔木の上に枕梁をのせ、それを4段にかさね、両岸からせり出していく。

両岸からそれそれ1/3程になり、残り部分の10m程に桁を乗せる。

桔木部分の10mには半分5mのところに梁をのせ束をたてて両岸石垣に

埋め込んだ桁とつなぐ、つなぎは台持ち継ぎのようです。

2列の行桁の上に1間の間隔で大引を通しその上に4尺5寸の間隔に根太を

その上に床板を張る。

全体的にむくり(上にふくらむ形)があるのも、荷重変形防止、雨水だまり防止など

のためと考えられます。

建築の伝統的工法です。

桔木の力強さとむくりの優しさが美しい造形となっています。

また、木材の腐朽防止のために錺屋が木部に屋根をかけているため奇矯に見えるのでしょう。

改めて、日本3大奇矯の錦帯橋を調べてみると、こちらも木造アーチ橋ですが主構造となる橋桁は角材をアーチ状につなぎ楔、ダボ、巻金、斜材で固定しています。

ヨーロッパでは14世紀には木造トラス構造が建築で使われ、その後木造のトラス橋

に発展していったようです。

建築は石づくりの壁の上に屋根を掛けるためのトラス梁なのでしょう。

トラスが発展したのは乾燥した地域の建物と思われるので、2支点間の大梁を考え、

多雨の日本では木造の耐候性のため、庇を伸ばす桔木などが発展したのでしょう。

東洋と西洋、様式の歴史、風土と建築なかなか面白いものです。

現在の猿橋は公共物としての耐久性と安全性のために木材内部を鉄骨とし、両岸石垣内

部をコンクリートとしているようです。

 

 

 

 

 

住まいのメンテナンスで思うこと

自宅兼アトリエの住まいは16年目に入りました。

新規分譲地のためご近所は、同じ時期に完成しています。

10年目頃は私のところを除いて半分以上が外壁と屋根の塗り替えを行いました。

窯業系サイデイング外壁、窯業系スレート屋根が主で、そろそろと専門家に言われれば定期点検ガイドラインや検索を探してもやはりということとなりお願いするのだと思います。

このように、定期的な手入れの必要となる時期に専門家に相談をするのも良いと思いますが、設計段階からメンテナンスを考え、状態を見ながら住まい手が判断し、専門家に相談するという方法の方が良いような気がします。

ガイドラインや検索で出て来るメンテ時期は、環境(日照、雨、大気等)や設計に依らないものです。

ガイドラインや維持管理保全計画書(設計者が作成していれば)通りでは、費用が大幅にかかってしまいます。

専門家が手入れを進言しても必要な時に資金不足になりかねません。

長く住まいを楽しむなら、メンテナンスは必要です。

長期メンテの必要のないものの選択、設計によりメンテを低減させることは可能です。

設計段階から維持管理のことを考え、住まいづくりをして下さい。

さて、私のところといえばDIYで出来るだけメンテナンスをと考えて設計しております。

内外部のメンテナンス、設備等のメンテナンスをおこなって時々ブログを書きました。

屋根は塗装ガルバリューム鋼板、外壁はそとん壁でどちらも耐久性が高く目視で状態を見ながら判断が出来るものです。

部材では樋もガルバリュウム鋼板、破風も同様です。

耐久性は全て30年以上が目安で統一しています。

軒裏は塗装ですが、日陰のため塗装の劣化は少なく埃汚れ落としで済みます。

これも30年程度での検討となります。

屋根の目視はバルコニーから4尺脚立をハシゴとすれば登れます。

雪止めはDIYで設置しました。

玄関ドアが木製製作、窓も木製窓(枠はアルミ)でメンテナンスは必要です。

バルコニー窓以外の2階窓は7尺のハシゴを立てて木部塗装補修をしております。

木部は出来るだけ雨がかりの無いように庇、小庇をつけておりますが、陽の良く当たる西側窓の塗装補修がでます。陽と雨がかりの少ない木部の塗装状態は良好です。

外周木部は場所により状態が違いますので状況に合わせた対応が良いのかとも考えます。

今までの状況を見ると、木部は全体としての改修はせず数年ごとの補修でと考えております。

内部床、壁、天井は木質、一部塗装、ドアもキッチン、洗面台、造付家具も製作木製です。食卓、キッチンカウンター、洗面台の水かかりの天板、床は水ジミ等で汚れても木製無垢材なのでケレン・塗装で回復します。

壁、天井、建具のシナ合板オイル塗装は木の色変化だけでメンテナンス不要です。

使用頻度が高いキッチン扉はエナメル塗装ですが、ハードユースのためDIY塗替え前提で考えました。今までに1回塗替えを行いました。

浴室も在来床壁タイル張り、天井はレッドシダーです。

タイルの経年変化はほとんどなく、目地・シーリングはDIYで補修・改修が出来ます。

汚れ部の目地削り補修、シーリング取替を行うと見栄えが改善されます。

レッドシダーは湿潤に強く汚れが目立たない木肌です。

どれもちょこちょことのメンテナンスは必要ですが、取り替えたいとまではならない経年となります。

私どもの考える私どもに合った住まいであり、メンテナンスです。

DIYでメンテナンスを行っていると、作業性、維持管理などをより気に掛けて設計を行えます。

今回は、玄関ドア、バルコニー塗装等の塗替え、自転車置場屋根の取替というちょっとした日数の工事をDIYで行いました。

バルコニーの高圧洗浄、汚れ部のケレン、塗装を行いました。
既製木製ベンチ、トレリスも塗装したので新築時より統一感が出ました。

 

玄関ドアの洗浄、ケレン、生地塗装を行いました。

色違いのレッドシダーの美しさが内部のようによみがえりました。

 

自転車置場屋根を取り替えました。

メンテナンス材料費は養生材4,000円、塗料・刷毛11,000円、屋根材8,000円です。

4日かかっています。