TAMの家づくり

住まいづくりを楽しむ、住まいを楽しむ

宮脇檀の住宅設計のノウハウ

宮脇先生が亡くなられてもう24年程になります。

所員時担当した地方の住宅のクライアントさんとは長くお付き合いがあり、購入したソファのリフォーム相談がありお伺いしました。

車での通り道に、宮脇先生が設計したゴルフショップがありついつい目がいきます。

国道に45°傾けた建物の屋根に大きくGOLFの文字が書かれています。

ところが、店が変わっていました。

2年前の改修の時にはGOLFでしたが今はHANABISHIです。

2年前は確か緑色でしたが、今はダンディな黒です。

 

「宮脇檀の住宅設計のノウハウ」という書籍の資料集めをしたこともあって、内容のほとんどを記憶しています。

その中に、「ペンキは塗り替えるもの」というタイトルがあり、その中に色によって愚作になるようでは、建築ではない、自由に考えるものだということが書いてあります。

 

ダンディな宮脇先生、建物は30年以上たっても素敵です。

 

 

 

 

 

改修工事を考える-防火

改修工事を考える場合、現況を調査した総合的な設計が必要です。

構造・劣化・防火・断熱・バリアフリーなどはとても重要です。


現在東京23区のほとんどが防火地域、準防火地域に指定されています。

東京都では木造密集地の地震などの災害時における火災の延焼予防として安全条例で建物の構造を指定しています。

改修時において、現在の都市計画(防火指定)、安全条例を確認し、状況・将来予測とともに改修設計を考える必要があります。

また、2006年(平成18年)より消防法により住宅用火災報知器の設置が義務化されました。

改修の機会に確認してもらいましょう。

 

防火改修工事の事例を紹介します。

築42年の木造2階建て32坪の住宅改修です。

母の介護が終わり、一人になった住まいの外部を塗り替えたいという相談でした。

都内なので転居も進めましたが10年したら考えるということで、予算を踏まえた改修で相談を受けることになりました。


防火は屋根、外壁、軒裏、窓などの対応状況と住宅用火災報知器の設置有無を確認します。

確認申請によると現在は準防火地域となっていますが、当時は防火指定はなしでした。

現状は、屋根・外壁は防火構造となっていますが、軒裏・窓が非防火でした。

軒裏廻りからの延焼を防ぐため、破風塗装を板金に、軒裏を不燃材張してからの塗装を金額をご提示して改修をお勧めしました。

窓は、金属雨戸を常に閉める習慣があるため、費用を考慮し現状のままとしました。


費用(税別)は破風板金工事で工事で12万、軒裏防火工事で12万、他業者経費、消費税です。

住宅用火災報知器はネット購入で取り付けます。

 

破風板板金+軒裏不燃材張り塗装+防火対応軒裏換気材

破風板板金

庇上裏不燃材張り塗装

改修工事を考える-断熱

改修工事を考える場合、現況を調査した総合的な設計が必要です。

構造・劣化・防火・断熱・バリアフリーなどはとても重要です。

 

断熱性能は、1999年の断熱基準改定で天井で180mm、1992年改訂時で85mm、1980年制定時は40mmです。

基準通りの仕様では40年前の住宅の断熱性能は現在の2割強、24年前まで5割弱です。

個々の部屋は暖房機により温まるので断熱の意識は少ないのですが、無暖房室との温度差によるヒートショックによる健康被害は避けなくてはなりません。

そのために、省エネ効果だけでなく住まい全体が保温される断熱が重要です。

 

断熱改修工事の事例を紹介します。

築42年の木造一戸建て住宅の改修です。

母の介護が終わり、一人になった住まいの外部を塗り替えたいという相談でした。

都内なので転居も進めましたが10年したら考えるということで、予算を踏まえた改修で相談を受けることになりました。

 

断熱は床・壁・天井・窓の対応を考えます。

断熱は天井・床共に50mmで一部脱落等があるため費用を提示し改修をお勧めしました。

壁は50mmですが対応の困難さをご説明し現状のまま、

窓はアルミサッシシングルガラスですが日常雨戸、厚手カーテンを常に閉めるので費用を考慮し現状のままとしました。

 

作業性と施工性能を考え発泡ウレタン断熱としました。

1階床52㎡吹付厚80mm、2階天井55㎡吹付厚150mmです。

床下は木部断熱によるシロアリ被害を避けるため防蟻処理を行っております。

費用(税別)は断熱工事で50万、断熱材撤去処分・防蟻処理で17万、作業口施工で3万

他業者経費、消費税です。

 

これから寒い時期となるため、どのような感想を持たれるか楽しみです。

 

床下断熱の脱落(点検口/床下収納庫からの状況)、洗面所下断熱なし(作業口から確認)

床下防蟻工事前

床下防腐・防カビ、防蟻工事後(防蟻:ハクチサンFL、防腐・防カビ:マニレットTD-2040)

床下断熱工事(アクアフォーム)/隙間をつくらない

作業口断熱(発泡ポリスチレン板)

床下収納庫断熱(発泡ポリスチレン板)

小屋裏断熱材欠損(点検口からの状況)

小屋裏の隙間だらけの断熱状況(作業口から小屋裏に入り確認)

小屋裏断熱工事(アクアフォーム)/隙間をつくらない

作業口断熱(発泡ポリスチレン板)



 

 

 

 



 

 

 

 

 

トップライト設置注意事項

トップライトは空間を明るくするだけでなく。

寝転んで夜空を見たり、木々の変化を見たり思いが膨らみます。

山小屋をつくった時、まさにこれを考えました。

そこで気づいたことは、トップライトの掃除です。

木々に囲まれた山小屋は花粉いっぱいです。

汚れに気づいたらすぐに清掃できるように、屋根に上りやすくしました。

出来ることは自分たちで行えれば、経済的で住まいでの生活がもっと楽しくなります。

スイングアームライトをつくる

十里木の山小屋では、食卓とカウンター用で手持ちの照明スタンドを使用していたのですが、床掃除に不便、カウンター用ではまぶしいということで、ペンダントライトを購入しフックをカウンター上と食卓前上につけていたのですが、移動も面倒なので両方で使えるスイングアームをつくりペンダントライトを吊るすことにしました。

丁度良い大きさの平板と細長丁番をホームセンターで調達。

食卓とカウンター中央に位置するようにサイズを調整。

丁番の負担減とペンダントコードを支持する穴をあけ、アーム折れ部の固定はボルト・ナットとしました。

プロポーション優先としたため、アーム部を紐で吊り変形を抑えています。

吊紐は張り具合の調整ができるように自在結びとしました。
ロープ結びを知っておくととても役に立ちます。

機能的できれいなかたちとなります。

ビルトインガレージのある家の間取り

ビルトインガレージは建物の一部をガレージとすることです。
雨に濡れずに車への出入りも可能で、夏の暑い車中、冬の雪降しの心配もありません。
車体の保護にもなります。

 

ビルトインガレージの間取りのアイデアをご紹介します。

 

1.擁壁部をビルトインガレージとした住まい

擁壁を兼ねた2台のビルトインガレージです。

電動シャッター、シューズクロークへの動線、地下倉庫があります。

駐車場隣には駐輪場、宅配荷物置場、ガレージ内は作業スペースを設けています。

 

3.防護壁を兼ねたビルトインガレージ

敷地背面に擁壁を抱えているため、1階を防護壁を兼ねたRC造、2階を開放感のある木造としています。RC造のため3台のビルトインガレージの上部ジャグジー風呂、露天風呂を可能としています。ジャグジー機械室もRC内防音室としています。

 

4.通り抜けのビルトインガレージ

新宿の高層ビルを望む敷地ですが、下町の雰囲気を残す場所です。

道路よりのガレージはオープンとして中庭の緑が見える落ち着いた雰囲気をつくりました。

 

5.オーバーハングガレージ

楽家の来客用ガレージです。

大きな車での来客もあるためオーバーハングとし印象に残る外観としました。

 

6.狭小間口のビルトインガレージ

軒裏下で雨に濡れず玄関出入りが出来ます。

玄関脇のくぼんだ場所は、パイプシャフトと宅配ボックスです。

SE構法で木造耐火3階建て梁間5.25mが可能となりました。

 

7.旗竿敷地ビルトインガレージ



南側旗竿地を購入、終の棲家とし、北側住まいを娘家族に住み継いだ住まいです。

ビルトインガレージ部をコネクター工法とすることで木構造を可能としています。

工事後5年ほどして、このガレージより娘家族の住まいに入れるように改修工事を行いました。

山の木造別荘の床下通気

木々に囲まれた高原の山の別荘は、標高1000mにもなれば夏でもストーブが必要な日があるほどで、避暑には最適です。

しかし、秋冬以外は常に湿度が高く建物と生活には湿気対策が必要です。

木造の場合、土台等の構造が腐朽しないような水分量を保てるかが重要です。

そこで重要なのが、基礎高、基礎パッキン、床下換気口です。

地表からでる水分が多い場所は、地面に近いほど湿度が高くなっています。

基礎はコンクリートで出来ていてコンクリートは水とセメントでつくられます。

コンクリートの水分が出なくなるまでは2年といわれるほどです。

基礎パッキンはコンクリートと土台を絶縁させるもので樹脂製の網目状となっており

土台底面が常に空気に触れるようになっています。

床下換気口は床下に外気を通気させる入口で、法令で面積が決められてます。

基礎パッキンが通気を兼ねる通気基礎パッキンがあり、床下を利用するもの(基礎断熱、OMソーラー、床下エアコン、エアサイクル工法等)以外一般的に利用します。

ここ十里木高原は6月から9月にかけて雨が多く、木々に囲まれているため霧やもや立ち込めます。
雨が無くとも湿度70%程度のため、母屋・アトリエ共床高にしています。

母屋である山小屋は一般的な通気基礎パッキンで床下通気をしています。

床下にペレットや修理の工具、材料を入れているので常に土台等の床下の状況が判ります。

これでも土台等の構造に問題はないのですが、この床下は外気の湿度と常に同じのため

ものの保管には適していないような気がしております。

また、足の長いクモが出るので気になっていました。

そこで今回、離れのアトリエ棟の新築では、湿度の高い季節は閉じて、乾燥する季節に開けるエアサイクル工法とは逆の床下通気のために気密基礎パッキン+蓋付換気口としました。ちょっとした断熱気密蓋で通気孔も小さいので虫も防げるかと期待しています。

夏季でも滞在するときは、雨でもなければ換気を空けて風を通し、床下の様子を見ることにします。

まだ、基礎の湿気は抜けていないので、おいおい外気湿度と床下湿度、床下木構造の水分率など季節ごとに計って見ます。