TAMの家づくり

住まいづくりを楽しむ、住まいを楽しむ

トップライト設置注意事項

トップライトは空間を明るくするだけでなく。

寝転んで夜空を見たり、木々の変化を見たり思いが膨らみます。

山小屋をつくった時、まさにこれを考えました。

そこで気づいたことは、トップライトの掃除です。

木々に囲まれた山小屋は花粉いっぱいです。

汚れに気づいたらすぐに清掃できるように、屋根に上りやすくしました。

出来ることは自分たちで行えれば、経済的で住まいでの生活がもっと楽しくなります。

ビルトインガレージのある家の間取り

ビルトインガレージは建物の一部をガレージとすることです。
雨に濡れずに車への出入りも可能で、夏の暑い車中、冬の雪降しの心配もありません。
車体の保護にもなります。

 

ビルトインガレージの間取りのアイデアをご紹介します。

 

1.擁壁部をビルトインガレージとした住まい

擁壁を兼ねた2台のビルトインガレージです。

電動シャッター、シューズクロークへの動線、地下倉庫があります。

駐車場隣には駐輪場、宅配荷物置場、ガレージ内は作業スペースを設けています。

 

3.防護壁を兼ねたビルトインガレージ

敷地背面に擁壁を抱えているため、1階を防護壁を兼ねたRC造、2階を開放感のある木造としています。RC造のため3台のビルトインガレージの上部ジャグジー風呂、露天風呂を可能としています。ジャグジー機械室もRC内防音室としています。

 

4.通り抜けのビルトインガレージ

新宿の高層ビルを望む敷地ですが、下町の雰囲気を残す場所です。

道路よりのガレージはオープンとして中庭の緑が見える落ち着いた雰囲気をつくりました。

 

5.オーバーハングガレージ

楽家の来客用ガレージです。

大きな車での来客もあるためオーバーハングとし印象に残る外観としました。

 

6.狭小間口のビルトインガレージ

軒裏下で雨に濡れず玄関出入りが出来ます。

玄関脇のくぼんだ場所は、パイプシャフトと宅配ボックスです。

SE構法で木造耐火3階建て梁間5.25mが可能となりました。

 

7.旗竿敷地ビルトインガレージ



南側旗竿地を購入、終の棲家とし、北側住まいを娘家族に住み継いだ住まいです。

ビルトインガレージ部をコネクター工法とすることで木構造を可能としています。

工事後5年ほどして、このガレージより娘家族の住まいに入れるように改修工事を行いました。

十里木の住まいづくり、釘・ビスにこだわる

材料の留付けに釘やビス等があります。

目的に合わせた沢山の種類があり、性能など知れば知るほど楽しくなります。

形状や素材など適材適所で選択します。

建築ではおもに構造用と仕上用の釘、ビスに分けられます。

構造用の留付けには構造設計で決められた性能のものを使用します。

耐力面材になる構造用合板等の留付けには釘が使用されますが、目視で仕様釘が判るように頭に長さの50などと刻印されています。

木造の構造金物検査ではこの刻印を設計通りになっているか必要間隔、適正施工と共に確認します。

その他構造金物取付ビスはそれぞれ決められたものがあり、色分け等されているので確認がとても便利です。

今回は、仕上用ビスのお話です。

見せるビスです。

板壁外壁は最も傷みやすい場所です。

DIYで取替ができるように考えました。

仕上材料は杉の貫材、ビスは耐候性、木材締付のためステンレスコーススレッド

安価で材料はホームセンターで揃います。

浴室の杉板は真鍮の丸頭釘です。板の反り防止ですが、昔から定番の見せ釘です。

炉壁や調理壁のフレキシブルボードの留付けには、小ぶりのステンレスの平頭釘を使用しています。色味、形状で目立たぬようにしました。

フィニッシュネイルなどもっと目立たない釘もありますが、消す意味はないと考えました。

床板は91cm×182cmの杉構造用3層合板を仕上げとして使用しています。

水平構面としての使用のため、性能仕様のビスを選んで使用しています。

使用品は鉄製ダクロ処理でビット部が四角なのでチープ感はありません。

室内にビス等があまりに多く見えるのも印象的には良くありません。

留付け位置の工夫でなるべく隠し、見せるところは見せるのが良いかと考えます。

手摺の留付けビスです。ユニクロコーススレッドですが間隔を指示することで整然とします。

玄関扉のハンドルを木製製作としましたが留付けは長ネジにナット止め、先端部を袋ナットとしています。

外部なのですべてステンレスです。

何度も引抜の力が加わる場所は締め直しが利く留付けが良いかと思います。

金物は耐久性、耐候性があります。

建物には色々な部分で出てきます。

素材や色を揃えるとスッキリとした印象となります。

住まいづくりはこだわりどころ満載です。

些細なところでもこだわらないと住まいづくりがもったいないと感じます。

 

 

住まいの価格を考える

新型コロナ禍、ウクライナ戦争等気持ちの晴れない毎日です。

これに起因して木材を初めとする材料価格の高騰、半導体供給遅れによる施工延滞など

住まいづくりを始めたいと考える気持ちを抑え込むようです。

まして坪単価はこれくらい必要ですと言われるとますます一歩が踏み出せません。

この坪単価ですが、防災、環境負荷低減、IT化等官民が推し進める施策により上がっている側面があります。

国は耐震や環境負荷低減に対するランク付けを行って法令や補助金等を使い住まいづくりを誘導しています。

耐震も環境負荷低減も大切で、ランク付けも指針にはなりますが、詳細な住環境や設計の工夫などが抜け落ちたものです。

坪単価はあれもこれもと考え、勧める人たちが上げています。

設計事務所へは、メーカーに無い発想や自由度を求めてくる場合が多くあります。

設計事務所の仕事は発想や自由度だけでなく、住まい手の住環境や生活環境にあった耐震や環境負荷低減を話し合い、材料の費用対効果を話し合い、住まいづくりを住まい手にとって唯一無二のものにします。

住まいのLCC(ライフサイクルコスト)も考えなくてなりません。

修繕、取替などのコストも知っておく必要があります。

住まいづくりを知り、価値観を設計者と考えていくことで程よい価格の住まいが出来るものと考えます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2階玄関の住まい3題

2階玄関は敷地上、環境上、機能上の3つの場合に設計されていると考えます。

1.敷地上は2階接道のような場合です。

2.環境上は浸水地域のような場所です。

3.機能上は併用住宅、2世帯住宅のような場合です。

私どもの事例をご紹介します。

1に該当するのは、相模湾を望む高台の別荘です。

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道路が北上りのため、最上部では2階への高低差が少なくなります。

海への眺望が最大テーマであること、それをダイナミックに見せたいのでアプローチから建物内に入って最初に海への眺望を見せる展開としました。

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2.は3~5mの浸水想定地域の住まいの改修です。

2世帯が代替わりしての省エネ、バリアフリーケルトンリフォームです。

1階は駐車場と倉庫でしたが、健康上の理由からエレベーター設置を望まれました。

検査済証のない建物のため、法に基づく既存建物調査報告及び改修後の改修工事の適合証明確認が行政より求められ対応しました。

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鉄骨3階のため5m浸水でも避難階があり、ダメージも考慮しての判断です。

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3.は店舗併用2世帯住宅の改修です。

2世帯の代替わりによる改修です。

1階店舗、2,3階住居では隣居という形が最適解でした。

新たに外階段設置、2階玄関とそこからの職場への出入りで2世帯隣居、職住近接の回答としました。

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別荘について~生活を楽しむ

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妻の父が40年程前から所有する富士山麓の別荘地がありました。
7年程前のことです。
売却も考えましたが購入時の1/3の金額でも買い手がつかず、
建物がついていれば売却に有利になること、忙しい仕事もなかったため、直営、DIYで楽しくつくろうということになりました。
この山小屋がきっかけで、多くの打診がありいくつかの計画が始まりました。
週末やリタイヤ後の小さな小屋づくりです。
10坪程度であれば建物本体は800万程度です。
インフラ、建築場所の整備に金額がかかる場合が多いので、土地の価格は総合的な判断が必要です。
中軽井沢の別荘地80坪で350万、日光で200坪300万の別荘地があることを知りました。
中軽井沢は大手デベロッパー開発ですが建坪が20坪のため需要がなくこのような金額のようです。
日光も大手デベロッパーの別荘地ですが、首都圏2時間程度の場所では一般的です。
南房総の計画打診がありましたが、大手で同様の金額です。
伊豆の別荘地管理会社より重機の使えない急傾斜地のモデル計画の打診がありましたが、計画地は販売価格5万。
30度程度の傾斜地は60万。
金額負担が少なく施工できるのは30度程度なのでそちらで計画しましょうとお話しました。

住まいの近くに小さな小屋を持ちたいと希望される方もおります。
多摩地区の広大な生産緑地に囲まれた宅地で上下水が引かれております。
川沿いで生産緑地を含め洪水の恐れのある場所なので、30坪で600万ほどです。
費用を抑えた小屋であれば、保険で何とかなります。

上水は引かれてなくても、土地価格と敷設費を総合した判断も良いかと思います。
広い土地であれば敷設して一部売却も考えられます。

都内の新築住宅価格はとても高額となってしまっております。

住まいの一次取得であれば、都心中古共同住宅のスケルトンリフォーム+別荘新築金額≒都心新築住宅金額となります。
余裕ある住まいづくりから始め、ゆっくり生活を考えていくのも良いかなと思います。

リモートワークの時代になり都心が別荘になってもおかしくありません。
投資型小規模マンションは不採算物件となりつつあります。

都心の便利さも自然の中の生活もという楽しみ方は住まいのつくりかたによって可能かと思います。

設計者との住まいづくりは小さな空間、ローコストでもより豊かな生活が提案できるかと考えております。

コロナ禍によるウッドショック、ウクライナ侵攻があり価格不安のためか依頼が設計者よりメーカーとなっているようです。
こんな時に機転や工夫が利くのが設計者だと考えております。

十里木の山小屋「OUR CABIN OUR DIY」は、
https://tamworkroom.hatenablog.com/archive/category/%E5%8D%81%E9%87%8C%E6%9C%A8%E3%81%AE%E5%B1%B1%E5%B0%8F%E5%B1%8B?_ga=2.94563164.1105669573.1649640805-1361821058.1613269022

Mさんの小屋づくり「M's CABIN」は、
https://tamworkroom.hatenablog.com/archive/category/M%E3%81%95%E3%82%93%E3%81%AE%E5%B0%8F%E5%B1%8B%E3%81%A5%E3%81%8F%E3%82%8A?_ga=2.1614577.1105669573.1649640805-1361821058.1613269022

 

床下点検口

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床下点検口は、

床下の設備の維持管理(清掃・点検・補修・更新)が容易に行えるようにに設置しています。

また、木造の場合は床下環境や木部の状態を確認できますし、防蟻処理を行う場合はそこから作業します。

天井点検口も同様な目的でつくります。

長期優良住宅では認定基準の一つとして「維持管理・更新の容易性」という項目があり、「劣化対策」として点検口の設置と点検のための空間確保義務があります。

住まいの要素(構造・外装・内装・機器・器具・配線・配管)はそれぞれの更新、修繕周期があります。

点検があり修繕、更新があるので点検口はそのために必要と考えなくてはなりません。

そこをしっかり設計出来、クライアントに説明できる能力はとても大切と考えております。

床下ですが、未利用空間としての魅力があります。

既製品の床下収納もありますが、収納量と点検口を含む金額を考えるとあまりお勧めできません。

私どもの十里木の山小屋は、湿気対策で高床とし床下は維持管理と収納空間としております。

高さ60cm程ですが、電気、設備工事は床を張ってからの工事が可能で、日程の融通が利きました。

床下点検口は床材の杉3層パネルの半分(900mm角)で厚さが36mm、下地兼用のためそのまま点検口としています。

床断熱はフェノール成型材のため受木をつけ簡単に取外せるようにしています。

引手と断熱材の受木(外壁胴縁利用)でほとんど手間のみです。

設計はデザイン、構造、設備、維持管理、コストが絡み合っています。

上手に解決することも設計の楽しさです。

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